災害時に最低限の電力を賄うため

大掛かりな太陽光発電設備を専門業者へ発注すると一般的には120万円以上はかかります。

蓄電池をつけるとさらに100万円以上かかります。蓄電池の容量によっては200万円以上します。

弊社からのご提案は、そこまで大掛かりな太陽光発電設備を設置するものではなく、災害時に最低限の電力を賄うシステムです。

しかしながら、金銭的に可能であれば大きなシステムを導入した方がより安心です。

どれくらいの電力が必要か?

稼働させたい家電(消費電力)

最悪の真夏を想定してエアコンは終日つけっぱなしで計算

  • エアコン14畳用で計算(825w/日)
  • 冷蔵庫(1000w/日)
  • エコキュート(1000~1500w/日)
  • テレビ55型で計算(671w/日、335w/半日)

エコキュートを多めの1500wで見積もって、テレビを半日つけるとして、合計一日あたり3660w=3.6kwは最低限必要と考えられます。

加えてスマホの充電もしたいところです。スマホ1台あたり3500mAとして、モバイルバッテリー10000mAのもので、スマホ約3台は充電できます。10000mA=20A、100vのコンセントで充電するので、10A×100v=1000w=1kwとなります。

合計4.6kwあれば一日の最低限の家電は賄える計算です。

洗濯機を回す、電子レンジを使う、IHクッキングヒーターを使うとなるとさらに電力は必要になります。今回はこれらを除いて試算します。

コンパクトな太陽光発電、蓄電システム

先ほど試算した4.6kw以上の電力を蓄えておくためにバッテリーが必要です。太陽光パネルだけだと日中太陽が出ている時だけ電気が使えますが、夜間は電気を使えません。

24v200Ahのリン酸鉄リチウムイオンバッテリー

みらい

バッテリーには12v、24v、48vタイプがあります

24V200Ahとは、電圧24vで200Aの電力を1時間使い続けることができるという意味です。

24v×200A=4800w=4.8kwの容量です。

太陽光パネル

片面発電単結晶415w/枚の商品で計算(49.9v、10.14Aの能力)

3枚並列で設置、3×10.14A=30.42A

49.9v×30.42A≒1518wの発電能力

太陽が出ていて発電できる時間を3.5hとすると、

3.5×1518w=5313w=5.3kw

計算した理論値では、夜間で減ったバッテリーを日中発電した電力をバッテリーに充電しつつ電力を使うことができます。

ハイブリッドインバーター

太陽光パネルとバッテリーとを接続するものです。以下の機能が1つの機器に内蔵されています。

  • チャージコントローラー
  • インバーター

チャージコントローラーは、太陽光パネルで発電した電力をまとめて制御する機器です。パネルで発電される電力は直流です。

インバーターは、チャージコントローラーからの直流電力を交流に変換して、家電等の機器で使用するためのものです。

このシステムでできること

太陽光パネルで発電した電力をバッテリーに充電できます。

太陽光パネルで発電した電力をそのまま家電機器等で使用する事ができます。

バッテリーに貯まっている電力を家電機器等で使用することができます。

システムの拡張

電力会社からの幹線(電線)をハイブリッドインバーターに入力する工事をすることもできます。

そうすることで以下のことができます。

  • 通常時は、電力会社からの電力で住宅内の電力を賄います。
  • 停電時は、自動でバッテリー供給に切り替わります。
  • 通常時は、太陽光パネルで発電して、バッテリーへ充電します。
  • 太陽がでていない時は、電力会社からの電力でバッテリーを充電します。

このシステムを設置する場所

太陽光パネルは、屋根に載せることもできますが、災害時に取り外して持ち運ぶことも考えて、地面置きや低い位置で日当たりが良い場所を選ぶことをおすすめします。

住宅密集地では、屋根に載せるかカーポートの屋根に載せる他、場所が確保できないと思います。田舎の方であれば設置場所を色々検討できるでしょう。

ご相談いただければ、一緒にベストな場所を考えさせていただきます。

価格(工事費含む)

紹介した例のバッテリー容量とそれに対応するハイブリッドインバーターであれば、50~60万円でご提供できると考えています。(予定)

実際は、最低限必要な電力、太陽光パネル、バッテリー容量を設計する必要がありますのでご家庭によっては価格は上がります。

災害時に必要な家電をどこまでにするかの線引きで必要な電力は変わります。欲を言えばきりがありませんし、日常生活と全く同じ生活を維持することを考えると大規模なシステムが必要になります。200万円は越えるでしょう。

停電、断水、真っ暗な家で不安な気持ちで過ごすよりもマシ、と考えて最低限の線引きをすることが必要と考えます。

費用の回収期間

結論は、約9年前後になります。

大規模な太陽光発電システムであれば、発電量もその分多くなりますが初期費用が高くなります。

小規模なシステムは、初期費用は比較的安く抑えられますが、発電量は少なくなります。

発電量と価格は比例すると考えれば良いかと思います。

まとめ

太陽光パネル、バッテリー、ハイブリッドインバーターを組み合わせて、小規模太陽光発電システムを構築しておくことで、日常生活はこれまでと変わらず、停電時は自動で蓄電してあるバッテリーに切り替わります。

ハイブリッドインバーターの設定によっては、日常から夜間に貯めたバッテリーを使ったり、色々な設定をすることができます。