令和6年元日能登半島地震における停電状況
令和6年元日の地震発生直後、能登半島では大半の地域が停電になりました。石川県内では、配電設備の損傷により最大4万戸が停電したと報道されています。2週間経過した時点でもその4万戸のうち、約2割(約8000戸)が停電だったと報道されました。地震発生から約1ヶ月で停電は約9割解消されたと北陸電力は発表しています。
ですので、約1割(4000戸)は停電が解消されていません。
電力をどう確保するのか
電力の確保で考えられることを紹介します。
- モバイルバッテリー(リチウムイオンバッテリー)
- モバイルバッテリー(乾電池式)
- 車のエンジンをかけてシガーソケットから給電
- 太陽光パネルで発電した電力
- 太陽光発電した電力を蓄電した蓄電池
- 役場、市役所は独自の発電機で電力を賄っているので、その電力
- ポータブルバッテリー(リチウムイオン)
- 発電機
令和6年能登半島地震後の被災地での状況です。みなさん、まずはスマホを充電したくて困っていました。通信手段の確保は災害時にとても重要です。大切な人、家族との連絡手段が途切れている状況は精神的にも厳しいものです。
発電機とモバイルバッテリーが災害時に威力を発揮
発災以降、被災地で過ごした私の結論としては、発電機が一番です。そして、モバイルバッテリー(リチウムイオン)です。
私は、リチウムイオンのモバイルバッテリーで3日間しのぐことができました。その後、仕事関係者の支援をいただき、充電済みのポータブルバッテリー(リチウムイオン)を借してもらうことができました。それからは、ポータブルバッテリーでモバイルバッテリーを充電して、スマホの充電をすることができました。
借りたポータブルバッテリーの値段を調べたら15万くらいでした。ポータブルバッテリーは、家庭用コンセントから充電する必要があります。長期間の停電には対応できません。
そこで、発電機(ガソリン式)の出番です。価格は、発電能力の大小によって5万~15万、または、それ以上です。スマホの充電をするならインバーター内蔵のものを選ぶ必要があります。
ガソリンは、元日から枯渇することなくガソリンスタンドで入手することはできました。
30Aくらいの発電能力のものを購入しておくのが無難だと考えます。能登半島の一軒家であれば、30Aあれば家一軒の電力を賄うことができます。エアコンの使用状況によっては不足しますが。
26A発電機で日本製のもので、14万円前後で購入することができます。
発電機(ガソリン式)の活用
農家(兼業含む)が多い能登半島では、農機具のためにガソリン携行缶を保有しているご家庭が多いです。ガソリン式の発電機を購入した場合は、併せてガソリン携行缶の保有も必要になります。農家の場合は、ガソリンの扱いにも慣れているためその心配はいりません。
発電機に延長コードを挿して、電力を延長コードから確保するのが最も簡単な方法です。機種によってはコンセントが複数ついているものもあります。一般的な家庭用コンセントの形と同様のものです。
加えて、250V30Aのコンセントがついている機種もあります。30A近い発電力の機種にはついています。
このコンセントを住宅の分電盤の幹線にも設置をして、発電機から分電盤へ電力を送ることができます。その工事には、電気工事士の資格が必要になります。
弊社では、その工事もすることができますので、ご相談ください。
発電機を選ぶ際のアドバイス
住宅の分電盤に発電機をつなごうとお考えであれば、25A以上の発電力があった方が良いと思います。この発電力になると重量が重くなります。30kg以上になるので、軽易に持ち運びはしにくくなります。
そこまでしないのであれば、持ち運びがしやすいようにコンパクトなものを選ぶと良いでしょう。価格も安くなります。インバーター内蔵のもので10万円を切る価格で日本製のものを購入することができます。
ネットの通信販売を調べると、日本製ではない海外製品で破格の安さで大発電力、インバーター内蔵の機種を買うこともできます。デメリットは、保証の問題です。保証が無かったりやりとりが難しくなる事が考えられます。その場合は、レビューをよく確認して自己責任での購入になります。
日本製でもネットで購入する場合は、メーカー保証がちゃんと使えるかどうかを確認した方が良いでしょう。メーカー保証が効く場合、それを明記してあることが多いです。書いてない場合は、販売する店舗に問い合わせてから購入した方が良いでしょう。
また、発電機によっては、LPガスのカートリッジを使える機種もあります。LPガス、ガソリンの2系統の燃料で動くものです。ご予算、用途によっては大変便利な機種だと思います。
エンジンスタートは、紐を引っ張ってエンジンをかけるものが一般的です。小さなバッテリーを内蔵していて、セルスターターがついている機種もあります。女性や高齢の方に向いています。デメリットは、価格が高くなることです。
発電機を保有する場合の注意点
騒音
発電機を動かした時には大きな音が出ます。ご近所には、騒音となるでしょう。近隣の住居とある程度距離が離れている場合は、気にしなくても良いかもしれませんが、住宅密集地の場合は配慮が必要になります。
発電機には、オープン型と静音型があります。静音型は価格が高くなります。
メンテナンス
発電機は、ノーメンテナンスではありません。長期間使用しない場合は、ガソリンを抜く必要があります。ガソリンを入れっぱなしで長期間使用せず放置するとガソリンが劣化して、故障の原因になります。定期的にエンジンをかけて試運転をすることで良好な状態を維持することができます。
普段全く使わずに、災害時にいざ使おうと思った時にエンジンがかからないという事になりかねません。
保管場所
能登半島の田舎にある私の自宅では、納屋や倉庫が複数あるてめ保管場所には困りません。しかし、住宅密集地のお宅では、保管場所に困る可能性があります。購入をご検討の方は、普段使わない時の保管場所も考えておく必要があります。ガソリン携行缶を置く場所もです。
陸上自衛隊の災害派遣部隊が使用していた発電機
災害派遣部隊の使っていた発電機を見せてもらいました。
日本製(ホンダ)
発電力30A前後が多く、40Aの大容量のタイプもありました
インバーター内蔵
オープン型と静音型の両方
大型のものは、キャスター付で押して動かす程重量があるタイプ
まとめ
- 発電機には発電力の大小があり、大きいものは価格が高く、小さいものは価格が安い
- 発電機でスマホを充電する場合は、インバーター内蔵の機種を選ぶ
- 発電機は、ガソリン、LPガスで動く機種もある
- 発電機を住宅の分電盤に接続して、規模によっては住宅の電力全てを賄うことができる
- 持ち運びする、しないの用途で購入する機種の大きさを検討する
- エンジンスタートは、紐をひっぱるタイプ、ボタンを押してエンジンをかけるタイプがある
- 使用時の騒音にも配慮が必要
- 保管場所も考えておくこと
弊社で、発電機の代理販売をしている訳ではございませんので、お客様の用途とご予算に応じて最適な機種を選ぶお手伝いもいたします。